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第四章 

どうやって判断基準を作るか?



前回からの続きね。
判断基準をどうやって作るかというお話し。
そのまえに・・・
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このシリーズは、初心者の方にむけてお話しをしています。
なのでものすごく話のペースがゆっくりです。
すでにそれなりに写真を撮られている方には、まどろっこしい話しに聞こえるでしょうし、書いてるボクもそう思います。
第一章では、写真に対して本気か?ということを問いました。
第二章では実際の撮影時の思考のタイプを分けました。
第三章ではその思考を実際の撮影時に置き換えて説明してみました。

本来なら、「あなたはどうして写真を撮るのか?」
そういう話から入るのが本筋なのでしょうが、
ここでは、ボクが通ってきた道に沿って話を進めています。
実際多くの方が、考えはじめる前に写真を撮り始めていることが多いのだと思っています。
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どうやって自分の判断基準を作っていくか?
判断基準 =「自分の気持ち」。
それは作るのではなくて、もうすでにあなたの中にちゃんとあることを知って欲しいです。

ただ、いろんな考えに取り囲まれて自分でもあまり気付いていない・・・そういう人がとても多いと感じます。

このシリーズの「第二章」でスクラップブックの話をしました。
ボクは二十代前半、このスクラップブックの映像を集める作業の中で、自分の気持ちを感じることが出来たと思います。
自分の好みだけで集めた映像の山。
それは単なる映像のストックだけじゃなくて、
集まった映像の中にうすらぼんやりと自分の中の一貫したモノを感じてきます。
スクラップを集めてゆくと、ぼんやりした線を何度もなぞるように、
自分の中でこれだけはどうしても譲れないモノ。それがハッキリしてきます。

ウエディングフォトを撮りたいのなら・・・いや、写真を撮りたいのなら、
自分の中の本当の自分(=判断基準)に気付いて欲しいと思うのです。

そのためには自分のスクラップブック作りはとても有意義だと今になって感じています。

スクラップを作る・・・とても簡単なこと。
気に入った写真を集めるだけの話です。
今なら別に切り貼りしなくても、デジカメで撮ってくればいいだけのこと。
(それはちゃんとブックに整理することは必要です。)

お正月に、いつもお世話になってるお寺さんで見つけた画集。橋本関雪画伯の美人画。妙に気になって一枚パチ





集めるのは、結婚式の写真だけじゃないんです。
気に入ったモノ、感じたモノをドンドン。
別に努力も必要ないです。好きなモノだけ集めてくれば良いんです。
あなたの中にある・・・


それが好きなモノを集めてくれます。



でも、ときどき、こんな人もいます。(時々と言うより、結構います。)
いろんな考えに取り囲まれすぎて、自分の気持ちが奥の方にしまってある人。

スクラップを集めはじめる最初は、こんな人の方が多いかも・・・
そう人にこそ、このスクラップ集めはとてもうってつけなの。

この作業はね、まわりの余分な考えをドンドンそぎ落としてダイエットしていって、本当の自分の気持ち(=判断基準)に気付いていくための作業なんです。
カメラマンにとっての自己分析の作業。

やってみると分かるけど、集めれば集めるほど、余分な考えなどどうでもよくなって、自分の気持ち、自分が何に感じるか、がハッキリしてくることが分かると思います。

 



ボクは写真を撮る上で、この自分の気持ち(=判断基準が)一番大切だと思っています。
これがなければ何もはじまりません。表現したいモノ、伝えたい自分の気持ち、その土台がしっかりしていなければ、どんなに技術や知識が優れても、何も生まれないと思います。
撮影の上で、ホントの自分の気持ちで撮影している人は、実はそんなに多くないんだろうなあと感じます。絵に描くとこんな感じ・・・
 


でも、ホントの自分の気持ちで撮らないと、誰にも響かない写真しか生まれない・・・
だから、ちゃんと自分の中の自分にきづいて、その自分を育てていって欲しいと思います。


 

(言葉足らずだったと思ったので、さっそく追加です。)
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社会生活をしているのだから、普段は「考えデブ」になってしまって当たり前です。
もしいつも「自分の気持ち」だけで生きていたら、かなりわがままで、まわりに迷惑な人間になってしまうからね。


普段は「考えデブ」でも、撮影の中とかで判断に迫られた時に、瞬時に「自分の気持ち」に問い合わせが出来ること。

それが大事なんだよね。

ボクも今でも全部が全部そうはいかないけど、自分の中に問い合わせる先「自分の気持ち」があることを知っている。迷った時はそこに問い合わせれば、(他の人がどう感じようが)必ず自分にとって納得のいく答えをだしてくれる。
そう確信している。

今回はそのことを伝えたかったの。

つづく

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