写真を撮る人 三澤武彦


第三章 

写真はどのように作られるか



前回からの続き
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あらためて何でこんな事しているかというと、
「私なんか才能がないから・・・」という言葉を良く耳にするからです。
ボクは自分より、センスも良くて才能がある人なんてゴマンと知ってます。
でも今考えると、才能なんてスタート地点がちょこっと違っていただけのことなんだよね。
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イメージ先行タイプの撮影のプロセスを、超簡単に書くと
こんな感じになるとなると思うわけです。

1-あるシーンに出くわす
2-頭の中のイメージの蓄積から、瞬時にひとつのイメージが思い浮かべる。
3-思い浮かんだイメージに沿って撮影する。


実例を挙げて、もう少し詳しく追ってみると

1-あるシーンに出くわす
たとえば「水辺の近くで人物を撮る」という状況に出くわして

出くわした状況を
図形化するとこんな感じだとします。

2-頭の中のイメージの蓄積から、瞬時にひとつのイメージが思い浮かべる。

出くわした状況から刺激を受けて
いろいろなイメージが降り注いできます。

 

その状況や被写体や自然環境や体調や気分や、いろいろなモノから自分が刺激を受け取りつつ、それに影響されてあるいはシンクロして・・・イメージの蓄積の中から捜してくるんだけど・・・

この時は「動いた方が二人らしいや・・・」「ああ、飛び石があるから飛べるかな」と思って・・・(この時は撮影のための撮影だったので、そのあたりは自由に出来たわけね。そうじゃない状況の時でも頭の中でやってることは一緒なもんで。)

巨匠アンリ・カルティエ=ブレッソンのこんな写真が頭の中に思い浮かびました。

3-思う浮かんだイメージに沿って撮影する。
でも、実際の撮影の状況の中で、
頭の中に膨大な映像ストックがあったとしても、
ぴったりストックのイメージどおりにあてはまることなんて、まず無いわけで、

上の図で説明すると、どのイメージを当て込んでも良いわけです。
それが迷いや悩みの原因になったりする。
あなたは、なぜ、そのイメージを選んだんだろうね?
その判断はどこから来るんだろう?

あるいは、思っていたとおりにならなくて
はみだしたり、足りなかったり、つじつまが合わなくて
また迷ったり悩んでしまったり・・・

実際の撮影ではイメージを柔軟に変えて臨機応変に対応してゆく訳なんだけど、
このあたりでつまづいている人も多い気がする。
「臨機応変に対応できないんですう~」
その臨機応変さというのは、一体どこから来るんだろうね?

実はここまでは前置きなのね。
今回言いたかった大事のことは次の一行だけ。

臨機応変さとは、自分の中に明解な判断基準があることなんだよね。

それこそが、たとえイメージを借りてきても、
決して真似にもコピーにもならなずに自分の写真として創造できることなんだな。
言い換えれば、明解な判断基準(=自分の気持ち)がなければ、写真を撮っててもしょうがないわけだな。

で、作例の出来上がった写真がこちら。

大巨匠をヒントにしてしまって大変恐縮なのですが、ゆるしてね。
ヒントにしても同じモノなんてできないし、作る必要もないわけだ。

次回はどうやって判断基準を作っていくかというお話しね。

つづく

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